システムエンジニアは今すぐ開業届を出しなさい

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フリーランスSEという働き方を絡めた「ワーク」「マネー」「ライフ」の3つの観点からSEのスタイル革命を提供

Sier業界の会社員から脱却、フリーランスSEで次世代の準備

私は以前から、「SIer業界の構造は近い将来崩壊するでしょう。」とお伝えしています。

 

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Sler業界はこのようなピラミッドになっており

元請けが下請けへ、下請けはそのまた下の下請けへ…という積み重ねになっています。この構造には内部からの反発、つまりSIerで働くSEからの不満がとても多いです。

 

構造内部からの不満はおもに

 

  • SEがひとりの技術者としてではなく、人月単位の労働力としてしか見られていない
  • 作業の依頼が丸投げで、バケツリレーのようになっている
  • 現場の大変さを理解していない元請けから、無理な納期を押し付けられる

 

 

以上が挙げられます。

当ブログでも、SIer業界への内部からの不満は何回か取りあげています。

 

 

今回は内部からではなく、SIer業界に仕事を発注しているエンドユーザーの視点から

  • SIer業界の構造は、今後どのように崩壊していくのか
  • この構造から脱却するには具体的にどのような準備が必要か

 

以上についてお伝えします。

 

 

 

エンドユーザーから見たSler業界への不満 

なぜ技術(質)ではなく労働力(量)で判断するのかが謎!

 Sler業界では、SEは「人月単価いくら」という数え方をされます。

優秀なのかどうかではなく、この工程に割り当てられる人はどのくらいの単価か?

という判断になるので、スキルによってお金が変わるということはありません。

 

この単価設定の仕方はSIer業界としては当たり前なのですが

取引しているエンドユーザーから見れば疑問です。

 

だって優秀な人数人に任せれば早く終わるかもしれないものを

最初から「この案件はこの期間、この人数でやることに決まっています」と

よくわからない見積もりを出されるわけです。

もしかしたら人件費も時間も膨大に無駄にする可能性があると考えると

不安ですし不満です。

 

 

はじめから完璧な仕様書を求められ、修正に莫大なお金がかかる!

 

エンドユーザーははじめに仕様書を用意するように言われます。

元請け側は間違いない答案を作らせて、そこに対して100点満点のものを提出します。つまり、答案用紙となるエンドユーザーからの仕様書が間違っていれば

納品物も間違えたものがあがってきてしまいます。

 

間違いは当然修正が必要です。しかし、実際に運用してみて改善したい箇所も出てきます。

ユーザーからの反応を見ながら改善するわけなので、運用前に完璧な答案用紙を作ることは、そもそも不可能なのです。

 

それでもし「少し合わないところがあるから仕様変更をしたい」となった場合

カスタマイズや修正などの追加対応にはまた別途費用が掛かります。

大きな案件だと、追加対応だけでも1000万単位でコストがかかることがあります。

 これでは泣く泣く仕様変更をあきらめることにもなりかねません。

ますます不満は募るばかりです。

 

 

下請けが積みあがる毎のバッファが無駄!

 

下請けに依頼するためには費用がかかるため

元請け会社は、エンドユーザーに少し多めの金額を請求します。

万が一の場合の保険。バッファとしてですね。

そしてその下請けがまた下請けに依頼し、またまたバッファが積みあがる…。

 

その最終的な合計額が、エンドユーザーに求められるのです。

これでは本来必要な額にどんどん上乗せされていることになります。

エンドユーザーにとって非常に不利益です。

 

これらからわかる通りシステム導入を検討した場合、

資金が潤沢な大手企業しか依頼できない、つまり中小企業、もしくはスタートアップにとってシステム導入はハードルが高い。ということがわかります。

 

まぁ、上顧客だけごますりしとけってことですよ。

 

提案してくる担当者がエンジニア目線じゃない!

ユーザーに提案する担当が現場を理解していないことが多いです。

「我々はこの短時間でできますよ!」と、立派な提案を持ちかけてきますが

実際にはそれを下請けに丸投げしているだけ。

 

エンドユーザーもそんなことは分かっていますから

「ほんとにあなたに頼んで大丈夫なのか?」という不安はぬぐえないままになります。

 

話題になったまとめは以下。エンジニアはわかる方が多いのではないでしょうか?

 

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参考URL:

el.jibun.atmarkit.co.jp

個人の時代に数千万円なんて払えない!

今までは大手企業の独壇場でしたが、大手が安心というブランドは、今はありません。今は安価で引き受けてくれるスタートアップ企業がたくさんあります。

優秀なエンジニアが個人でやってくれる場合だってあります。

 

今は個人の時代です。

作る側も個人なら、頼む側のエンドユーザーだって個人です。

そんな時代に、大金をはたいてまで大手に発注なんてできませんよね。

むしろ最近は、今まで大手に依頼していたものをこれらベンチャー企業や個人に発注するケースも多くなりました。

 

これらからわかる通り、大手・中小企業に関係なくSIer業界は崩壊しつつあります

それを知ったうえで、私たちSEは次世代への準備をする必要があります。

 

まとめ:

・人月単価という曖昧な金額設定

・要件定義でいきなり100点を求められ、仕様変更に別途料金がかかる

・下請け企業のバッファの積み重ね

・要件を聞いているSEが専門家ではない

・個人の時代にもかかわらず、個人を相手にする構造になっていない

 

以上の理由から、エンドユーザーはSIer業界のピラミッド構造に不満を持っている。

 

 

個人の時代にうまくいくSEの条件とは?

 

優秀なベンチャー・スタートアップ企業がたくさんあり、働き方が多様化する今

個人が活躍する可能性があふれています。

以下ではSEが個人で活躍するための条件を4つ、お伝えします。

 

 

1、初期が依頼しやすい価格であること

 

先に述べたように、個人の時代に数千万かかる大手に依頼するのは難しいです。

個人であれば、下請けのぶんのバッファを上乗せしたりはしませんから

大企業より安価で提案することができます。

エンドユーザーもハッピーです。

 

2、逐次、修正改善の対応ができる・頼みやすいこと

 

大手企業だと、開発と運用が別個の対応になり追加料金がかかる場合が多いですが

個人でやるならそこも柔軟に対応することができます。

エンドユーザーは、使いやすい形になるまで要望を聞いてくれるエンジニアを求めています。

 

3、相手の要望を正確にヒアリングできる

 

企業であれば要件定義は営業担当の仕事になりますが

個人なのでこれもSE自身が行うことになります。

営業なんてやったことない…と思うかもしれませんが

SIer業界の構造がいつか崩壊する以上、コミュニケーション能力を磨いて

自分でエンドユーザーと打ち合わせをしなければいけません。

 

4、マーケティング能力・発信力

 上で「コミュニケーション力を磨いて営業を」と書きましたが

優秀な個人であれば、向こうから依頼はやってきます。

そのために、発信力が重要な時代になっています。

ブログやSNSなどで自分の仕事を発信する力もつけていきましょう。

相手からあなたに依頼したいとオファーが来るような。発信力が求められる。

 

以上を見てもわかるように

 SIer業界特有の下請けが積みあがる部分を飛ばして

直接個人のSEが受ける構造へと変化するので、ピラミッド構造は崩壊します。

 

まとめ:

個人の時代に活躍する4つの条件

1、初期が依頼しやすい価格であること

2、逐次、修正改善の対応ができる・頼みやすいこと

3、相手の要望を正確にヒアリングできる

4、マーケティング能力・発信力

 

よって、ピラミッド構造の中間部分は邪魔なだけ。近い将来崩壊するといえる。

 

 

 

総括:まずはフリーランスSEになってみましょう!

 

とはいえ、今までの会社員SEという働き方を続けても

上で挙げた4つの条件は手に入りません。

さらに最近では残業撤廃の号令も出ていますから

給料が減る上に時間が余って嫌だという方も多いでしょう。

 

案件にかかわるすべてを個人でできるSEへとステップアップするためにも

私はフリーランスになるのが手っ取り早いと思います。

 

当ブログでも再三お伝えしていますが

具体的に何をやるかはなってから考えればいいのです。

 

フリーランスSE需要は高まってきています。

実際に働くことはそんなに難しくはありません。

雇用形態が業務委託に代わるだけです。

単純に年収がアップしますからお金が増え

後輩の指導などの責任や無駄な時間も減るため稼働時間の減少にもなります。

 

増えたお金と時間を何に使うかがすごく重要です。

何をするかわからないからこそ、変革に向けて自己投資をしましょう。

 

学ぶ環境はいくらでもあります。

お金を払ってでも、情報を得られる環境に身を置きましょう。

そうすれば新しいコミュニティーに参加できますし

同じ価値観を持った人間が集まることによって

自分の生み出せるものは何かを考えるきっかけになります。

 

2022年あたりを目処に、ピラミッド構造は崩壊するでしょう。

フリーランスSEになって増えた時間とお金を使って

ITスキルだけでなく、色々なスキルを組み合わせて何ができるかを考えましょう。